工房のある、落合・中井は染の街です。
新宿区の神田川から妙正寺川流域には、京都・金沢と並び伝統的な染色業が脈々と受け継がれています。
大正中期以降、神田や浅草の染色業者が良質な水を求めて移転してきたもので、戦後間もない頃の東京は京都や金沢に並ぶ染の三大産地として全国に名を馳せていました。
代表的な染色技法である友禅、小紋や様々な染色のほか、着物染色産業に欠かせない多様な技術が集積しました。
現在もそれぞれの技法を得意とする職人によって分業されています。
時代とともに着物産業が下火になる中で、染職人達は日々研鑽を重ね工房を維持しております。
そして2011年より、染色職人・中井の街の商店・住民が一体となり、「染の街」としての魅力を発信することを目的とし、毎年2月に「染の小道」というイベントを開催いたしました。
約100店舗前後の商店の軒先に、それぞれの染色作家が染めた暖簾を飾ります。
中井の真ん中を流れている妙正寺川の川面には、小学生や町の人達が体験染めをした反物が彩ります。
来場者は一万四五千人位という盛況ぶりとなっております。